「完本 戒老録」

 

 

曽野綾子さんの名著「完本戒老録」にこんな一節があります。

 

(略)四十代から五十代は、人間は急がねばならない。その間になすべきことをしておかないと、もう肉体がついていけなくなる。四十になって、なにか打ちこむものを持たぬ人は、人生を半分失敗しかかっている。しかしまだすぐ思いたって始めれば、時間は充分にある。ゆっくりした老年に入る前には、充実したきびきびした壮年時代が必要である。(略)

 

自分の気持ちを、言葉を操る専門家に表現してもらって、改めて「そうだった」と腑に落ちることがありますが、まさに振り返ってみると私はそんな思いを抱いていたと思います。

(そういう私もいつの間にかアラ還です。)

仕事でも遊びでも、何かを思い立った時に、少々無理をしてでも動けるのは、四十代から五十代ですね。

もちろん、まだ六、七十から全く新しいことを始めても良いですが、いろいろな前提条件をクリアしなければ進めないのも事実です。挑戦や冒険を、自分や家族が許せるかという大前提の壁が立ちはだかってきます。

相方に「あなた一体幾つだと思ってるの」と言われて、それを覆す情熱があったとしても、その情熱を身体が支えることができるかという不安もあります。

それまでは、きびきびと動いていたいというのが私の理想です。

「来年のことなんか知るもんか。今がそのタイミングでしょ。」

いつまでも心身を鍛え続けたい理由がそこにあります。