「雨ニモマケズ」は日本人なら誰でも知っている宮沢賢治の作品です。
小学生は暗誦できる子もたくさんいますし、世代を超えて日本人の心をとらえてきた作品と言えます。
冒頭に「マケズ」という言葉が続きます。
雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
「勝つ」「勝とう」「勝ちたい」ではなく「マケズ」
賢治は、生きていくうえで負けないことが強者であることを知っていたのでしょう。
負けないというのは、いつでも主語は自分です。
雨ニモ(私は)マケズ
風ニモ(私は)マケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモ(私は)マケヌ
「私は負けない」という(心の)叫びが日本人の心にすうっと染み込んでいく気がします。
そして、最後の言葉。
サウイフモノニ
ワタシハナリタイ
誰でも同じ悩みを持っているのだ。なりたいけれどなれない自分を抱えて人は生きていくのだと、私たちの傍をともに歩いてくれる賢治の姿があります。