「花にちなんで」

 

ダンマパダ(法句経)から。

第四章は「花にちなんで」と題され、44から59の偈で構成されています。

そのうちの一つを紹介します。

 

46 この身は泡沫(うたかた)のごとくであると知り、かげろうのようにはかない本性のものであると、さとったならば、悪魔の花の矢を断ち切って、死王に見られないところへ行くであろう。

 

ここに仏教の原則が語られています。

ダンマパダは第一章 1の偈で「ものごとは心にもとづき、心を主とし、心によってつくり出される」という言葉から始まります。心を最初に述べています。

そして第四章では、「花」を五欲の対象として表現しています。

この身体は無常であり(諸行無常)、かげろうのような本性(諸法無我)を覚るのであれば、三界(欲界、色界、無色界)の輪廻を断ち切って、安らぎの境地に達するということです。

無常であることを頭で理解できていても、なかなか受け入れられるものではありません。

ずっとこのままでいたいと思い、そこまで達観できないのが人間です。執着と自覚していないまでも、やはり寂しいですし悲しいものです。

ただし、信仰心とは別にして、「諸行無常」というのは真実なんですよね。