ヨシタケシンスケさんの絵本は、考えさせられるものが多く、そこで終わってしまわないものがほとんどですね。
この本は、日常のシーンを切り取った「一コマ漫画」をこれでもかと並べたような構成です。
例えば、食券販売機を前に人の列があって、先頭の男性のせりふ「あああああ この食券自販機 何が何だかわかんない!!」
私もラーメン屋さんで、今までとは違ったタッチパネルの自販機になっていて、やたら時間がかかって、後ろの人たちに申し訳なくて焦りまくった経験があります。
ほかにも、読者がどう思うか試されているのかと思うようなイラストもあります。
日常は、こういう場面が脈絡もなくコマ送りのように過ぎていくものですね。
そこをスルーしてしまうのか、改めてスナップショットのように大切に切り取っておくのか。
ヨシタケシンスケさんがネタ帳を取り出して、「これこれ」とつぶやきながら、忘れないように描きとめておく姿が目に浮かびました。
日常の一コマが私たちの生活をつくっていきます。
ネタ帳をポケットにしのばせて、面白いことを見つけてやろうという気持ちで、ワクワク過ごしたくなりました。