「懐古趣味」とは「昔の物事や古いものを懐かしんで、その情緒を味わおうとする好みや傾向」という意味になります。
この歳になるとウチアタイするせいか、それを指摘されると何だか恥ずかしくなります。
過去ばかり振り返っているみたいで、人としてどうなのよ?と言われている気がするのです。それこそ自意識過剰で、そんなことないのでしょうが。
けれども「学び直し」をしているんだと開き直ってしまえば、「懐古趣味」もいいもんだと思います。
例えば、私は青空文庫のサイトで、リアル本屋で背表紙を物色するようにタイトルリストを眺めるのが好きです。
今日は中島敦の「山月記」が目に留まりました。
受験勉強で何度も国語の読解問題で取り組んだ覚えがあります。
国語の教科書に載っていたらしいのですが、それは実はあまりよく覚えていなくて、当時の教科書を残しておけば良かったと後悔しています。
改めて読むと(10分もあれば読み終えてしまうのですが)味わいが違っていました。
若い頃は李徴(=虎)を「これから成っていく姿」として捉えていましたが、今は素直に「人のそのものの姿」と捉えます。変化の結果ではなく本質が描かれているのだという受け止めです。
懐古趣味も、いいもんじゃないかと思います。学び直しや再学習って言えば聞こえもいいですね。