自分をいたわる

 

誰もが知っている当たり前のことを言ってみます。

「悪いことをすれば、その場が荒れる。」

因縁果報の原則を持ち出さなくても、皆が肌で感じることです。

ですから、「悪いこと」はやらない方がいいです。

特に自分に対する自分の扱いを「悪く」することは避けるべきです。

間違いをしでかして「自分はダメだ」とか「サイテイだ」とか言って、自分を責めることは「悪いこと」だと認識すべきです。

思わず自分で自分を非難したくなる衝動をぐっとこらえて、「だいじょうぶ、だいじょうぶ」とやさしくした方が良いです。

自分を非難すること≒悪いことをすれば、自分が荒れます。

ただし、「良いことをすれば、良い結果が返ってくる」というのはちょっと違う気がしています。

北京オリンピックの羽生結弦選手の試合後のインタビューは、その言葉に強く胸を打たれました。

「一生懸命頑張りました。正直、これ以上ないくらい頑張ったと思います。まあ、報われない努力だったかもしれないですけど。確かにショートからうまくいかないこともいっぱいありましたけど、むしろうまくいかないことしかありませんでしたけど、一生懸命頑張りました」

羽生結弦選手の「努力って報われない」という言葉は、日本中の多くの、努力しているけれど報われない人々を救ってくれる言葉でした。

羽生選手の努力の厚みを皆が知っているからこその重みです。

しかし、彼は自分を責めるのではなく、やさしい言葉をかけてあげています。

「うまくいかないことしかありませんでしたけど、一生懸命頑張りました」

この言葉は、これからもずっと覚えていたいと思いました。