映画「ドント・ルック・アップ」

私の自粛期間中に堪能した映画のひとつに「ドント・ルック・アップ」があります。

一種のパニック映画ですが、それにとどまらない現代の風刺映画として秀逸だと思いました。

(さっき気づきましたが2022年アカデミー賞にノミネートされているんですね)

面白い映画なのでネタバレにならないように気をつけたいと思いますが、とにかく「今の世の中ではあるかも知れない」と思いました。

公式サイトからの紹介です。

巨大彗星が地球に衝突する可能性を必死に訴える2人の天文学者。だが、情報が氾濫する世界では、誰ひとりとしてその警告に耳を貸そうとせず…。

今までの「ディープ・インパクト」にしても「アルマゲドン」にしても、主人公が危機を察知し警告を発した瞬間に、その難関を乗り超えるべく皆が一致協力していくのが筋だったのですが、この「ドント・ルック・アップ」は違います。

とにかく情報が多すぎて、情報の発信者が多数存在し、それに賛同する者たちの意向が真実をも捻じ曲げてしまうのです。

マスメディアは大衆受けする話題以外を排除しようとしますし、大衆受けするのならば悲惨な現実からは当たり前のように目を塞いでいきます。

「ドント・ルック・アップ」は彗星でしたが、これを「コロナ禍」に置き換えることもできるのだと言った人もいました。

情報が氾濫する世の中では、こんなことが起きるのだと再認識した映画でもありました。

主人公たちは最後どうするか?(これはネタバレかも知れません。注意です)

家族とディナーのテーブルを囲んで過ごし、テレビを消し、スマホを見る人はひとりもいません。そして、となりあう家族の手を握りしめて、お互い一人ひとりの思い出話を順ぐりにはじめます。

映画としては、今までタブーとされてきたエンディングですが、この映画のテーマを押し通した製作者の勇気を讃えたいと思います。

面白かったです。そして、今の世の中の危機を問題提議してくれた映画だとも思いました。