「いろはにほへと ちりぬるを…」ではじまる「いろは歌」は、かな手習いの手本として古い時代に使われていました。
七五調で覚えやすいというのもありますが、同じ文字が重複していないということも大切な要因ですね。
誰が作者かというのは諸説あり確定していないようですが、「いろは歌」の内容が仏教に通じた深いものだということもあって、空海という説があるようです。
そう言えば、「いろは歌」の内容まで考えたことはありませんでした。
Wikipediaから引用してみます。
いろはにほへと ちりぬるを 色は匂へど 散りぬるを
わかよたれそ つねならむ 我が世誰ぞ 常ならむ
うゐのおくやま けふこえて 有為の奥山 今日越えて
あさきゆめみし ゑひもせす 浅き夢見じ 酔ひもせず
口語訳をすると、以下のようになります。
「匂いたつような色の花も散ってしまう。この世で誰が不変でいられよう。いま現世を超越し、はかない夢をみたり、酔いにふけったりすまい。」
「いろは歌」が仏教に縁が深いとされているのは「涅槃経」の偈の意訳だとされているからです。
いろはにほへと ちりぬるを →諸行無常
わがよたれぞ つねならむ →是生滅法
うゐのおくやま けふこえて →生滅滅己
あさきゆめみし ゑひもせず →寂滅為楽
それぞれの意味を下に記します。
諸行無常 あらゆるものは絶えず変化していて、とどまることがない
是生滅法 生じて滅びるのがこの世のことわりである
生滅滅己 その生滅さえも滅し終えて
寂滅為楽 それらの静まることが安楽である
なんだかすごい話ですね。
単なるかな手習いの歌というわけではないようです。びっくりしました。