実際の診療では、「やむを得ない事情」が押し寄せてくることをよく経験します。
人生って、やむを得ない事情の連続だと言っても過言ではありませんね。
その時に、私たち医療者はどう対応するのかを常に問われることになります。
私は「原則を守ること」に頑固な方だと思います。
患者さんのなかには「前の医者はやってくれた」と言って食い下がる方がいます。「原則としてというのはわかっているけれど、やむを得ない事情なんだから」と言って説得を試みる方もいます。
けれども、少し考えてもわかるように、自分で決めたルールについて例外をつくらない方が守りやすいのです。
「やむを得ない事情」として例外を許してしまうと、「例外」が大挙して押し寄せてきます。
そして、ルールを守ってきた方々にも迷惑をかけることになってしまいます。
ルールからはずれた妥協については、最初からしないことだと決めているのです。