「塞翁が馬」

ある人とお話をしているとき、『「ありのままの自分」というけれど、「ありのまま」が一番難しい。』というお話になりました。

『あるがまま』を受け入れたり、『ありのまま』であることはきっと大事だというのはわかるのだけれど、その状態に至るのには理解するだけではきっと足りない。

「今、この瞬間に何かをしている」ことが大事なのであって、「何が起きているか」に一喜一憂しているようでは、その境地には程遠いよねと、その方は言っていました。

本当にその通りだと思います。

 

そして、ふと「人間万事塞翁が馬」という故事ことわざを思い出していました。

改めて、紹介しますね。

 

中国の北の方に占い上手な老人が住んでいました。さらに北には胡という異民族が住んでおり、国境には城塞がありました。あるとき、その老人の馬が来たの胡の国の方角に逃げていってしまいました。

この辺の北の地方の馬は良い馬が多く、高く売れるので近所の人々は気の毒がって老人をなぐさめに行きました。ところが老人は残念がっている様子もなく言いました。

「このことが幸福にならないとも限らないよ。」

そして、しばらく経ったある日、逃げ出した馬が胡の良い馬をたくさんつれて帰ってきました。そこで近所の人たちがお祝いを言いに行くと、老人は首を振って言いました。

「このことが災いにならないとも限らないよ。」

しばらくすると、老人の息子がその馬から落ちて足の骨を折ってしまいました。近所の人たちがかわいそうに思ってなぐさめに行くと、老人は平然と言いました。

「このことが幸福にならないとも限らないよ。」

1年が経ったころ胡の異民族たちが城塞に襲撃してきました。城塞近くの若者はすべて戦いに行きました。そして、何とか胡人から守ることができましたが、その多くはその戦争で死んでしまいました。

しかし、老人の息子は足を負傷していたので、戦いに行かずに済み、無事でした。

 

目の前に起った出来事をあるがままに受け入れることの大事さを教えてくれています。

 

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