法句経という名で知られている「ダンマパダ」というブッダの教えがあります。
「真理のことば」という意味のこの教えは、宗教色を抜きにして、とてもためになりますし励まされます。
たとえば、こんな言葉がならびます。
他人の過失を見るなかれ。他人のしたこととしなかったことを見るな。ただ自分のしたことしなかったことだけを見よ。(50)
善をなすのを急げ。悪から心を退けよ。善をなすのにのろのろしたら心は悪事をたのしむ。(116)
こういう言葉が400あまり続いているのです。
私は、(50)と番号がふられた「他人の間違いに目を向けるな」という言葉が好きです。
この言葉は「因果関係によって作り出されたものは全て苦である」という知恵を教えてくれていますし、自分を変えることが唯一の救われる道なのだと示してくれています。
他人のいたらなさを責めるのではなく、それをも自分の「因果関係」としてとらえていく。
いったい何がしたいのか?
犯人探しや証拠探しではなく、場の向上とその人の成長を望んでいるはずです。
それは、現代のリスクマネジメントにも通じることでしょう。
もしかしたら、責めている人が一番心を傷つけ、苦しんでいるのかも知れません。
承認欲に突き動かされているかも知れないからです。
ものごとは心に導かれ、心に仕え、心によって作り出される。もし人が清らかな心で話し、行動するなら、その人には楽が付き従う。あたかも身体から離れることのない影のように。(2)
私にとって肝に銘じたい言葉です。