今回の出張のお供の本はジェフリー・ディーヴァーの「ボーン・コレクター」でした。
リンカーン・ライムのシリーズは大好きで、よく読んでいるはずなのですが、実は第1作目を読んでいなかったということに気づいてしまい、それは自分でも驚きでした。
一度読み始めたら寝食を忘れてしまうことになるのは覚悟していましたし、状況の展開に目が離せなくなって本を置けなくなるのも覚悟のうえで、久しぶりに娯楽のための読書をしてみたくて、「ボーン・コレクター」の上下巻をまとめて準備しました。
ジェフリー ディーヴァー 著、池田 真紀子
リンカーン・ライムとアメリア・サックスの馴れ初めもそうですが、ライムが正真正銘の自殺願望者で、皮肉にも犯人の策に踊らされて「生きようとする意欲」を持つようになる設定など、偶然にカムフラージュされた「意図」がこれでもかと交差してきます。
複雑なストーリーを操る技法はさすがでした。
その後続くリンカーン・ライムシリーズの第1作ということを考えても、この作品が持つ可能性とエネルギーはすごく大きいものがあります。
個人的には、リンカーン・ライムの事実に対する冷徹なまでの真摯さ、あるいは執念は、医者としても見習うべきものがありました。
妥協することで未来が変わってしまうという切迫感は、ミステリーならではですが、現実世界でも肝に銘じておかなければならないと思っています。
そういえば、映画もありましたね。
どういうアレンジで味付けしたのか、改めて観てみたくなりました。