落語で、知ったかぶりをする無学者を「やかん」というのは、このおはなしから由来するものですね。
御隠居さんというのは、思慮分別があり、世の中の常識を備えた人格者というのが常ですが、ここに登場してくるご隠居は少々違うようです(笑)。
知らないものはないと公言してはばからないご隠居さん。
ご隠居の揚げ足をとるような物言いに、ついに長屋の八っつあんは逆転打を打ちたくなってしまいます。
思いつくままのモノの語源由来で質問攻めにしていくのです。
そして、ついにご隠居の急所をつきます。
「やかん」はなぜやかんというのか?
知らないとは言えないご隠居は口から出まかせを話しているうちに、自分でも予想しなかった解決策にたどり着いてしまいます。
「無学者は論に負けず」
その窮地逆転が語呂合わせできかせているところが、面白いですね。
八っつあんもご隠居の苦し紛れに、ほがらかな相槌を打ってしまいます。
嬉しいことに、名人・三遊亭金馬の「やかん」の音源がありました。
https://youtu.be/HH6JppV4Kvg