今日は浦添市健康講座があります。
お話しする内容を少し紹介しますね。
慢性腎臓病がなぜ無症状のままに、知らず知らずのうちに進行してしまうのか、その理由についての説明です。
腎臓は糸球体という「小さなこし器」が100万個集まった集合体です。
糸球体になんらかの傷害が加わった様子を、こし器の状態に例えてみました。
傷害が進んでいくと、糸球体はやがて目詰まりを起こしてしまいます。
実験では、赤い絵の具で色をつけた水を用意して、同時にこし器に注いでみました。
すると、こし器で水を濾(こ)す速度というのは、下の写真のようになるのです。
つまり左の3つはほとんど差が出なかった。差が出たのは一番右側のほとんど目詰まりしているこし器だけでした。
最後の最後になって初めて、症状が出るというのがお分かりいただけたでしょうか。
つまり、症状が出てから腎不全になる期間というのが本当に短いのです。
ですから、タンパク尿を指摘されて自覚症状がない時期になんらかの手を打つ必要があるのですね。
今日の健康講座は、そういうことをお話しする予定です。