「何を伝えるのかと同じぐらい、いかに伝えるかが大事」ということは、日常生活で痛感することです。
医療の現場では、それがもっとも如実に現れます。
例えば、お話もしっかりしていて、家族からは信頼されている。そういうセルフケアができそうな方が、うまくいかないということは実はよくあることです。
私たちもそれを半分承知で接するのですが、少しでもお役に立てるかと思いアドバイスをしかけると、「はいはい。わかりました。」という態度をとられてしまうことがあります。
それでも、検査結果や測定値の数字は残酷です。
聞きたくなくても、目の前の数字は放っておくと命に関わることもあるので、何とか解決策を講じてもらわなければなりません。
医療者として放っておくわけにはいかないのです。
そんな危機的状況の時でも、正論をぶつけると人は動かないものですね。
強く反発されるか、必要以上に自信を失ってしまって「もうだめだ〜」になってしまいます。
何を伝えるかと同じぐらい、どのように伝えるかが大事。
正論ではなく、真摯に伝える。愛をもって語る。
私たち医療者が経験する、試練の場面です。心にとって厳しい世界です。