犬と影 (肉をくわえた犬)

イソップ物語に「犬と影」というお話があります。

 

 肉をくわえた犬が川に映った自分の影を見た。

すると犬はそうとは気づかずに、どこかのイヌがものすごく大きな肉をくわえているのだと思った。

犬は、自分の肉を放り出すと、大きな肉を奪い取ろうとして、烈火のごとく相手のイヌに向かって吠えた。

こうして、犬は肉を失った。

 

犬が吠えたのは、「もっと欲しい、もっと欲しい」と不満が心を占めていたからなのでしょう。不満を持つ人は相手から奪い取ることしか考えないのですね。

犬の姿が教えてくれているのは、不満を抱えている人の心には同時に他人への憎しみを宿すということです。

欲求不満の方が攻撃的なのはそのせいで、ひとつの不満がふたつ、みっつと、どんどん増殖していきます

 

そして、憎しみで生きていると、必ずすべてを失います。

 

不満でいることの恐ろしさを教えてくれる寓話ですね。

 

Wenceslas Hollar - The dog and his reflection

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