「妄想」に巻き込まれないこと

 

過去の失敗や未来の心配がどうしても頭から離れず、そればかりが気になっていつまでもぐるぐる巡ってしようがない時があります。

「そんなにくよくよ考えるなよ」

そう言われても(特に寝床に入ってからの)“くよくよ”や“ハラハラ”は、かなり厄介です。

ストップをかけようと「ええい、考えてもしようがない!ポジティブ、ポジティブ!」と呪文のように唱えても、いつの間にか心はそのことを考えてしまっています。

フタをしようと塞いでも、するりとかわして心の中をいつの間にか占領してしまっています。

確かに考えてもしようがないのです。

現実とかけ離れてしまっているから実体を持ちませんし、それをとらえようとするのは至難の業です。

それを「妄想」と呼びます。

 

「妄想」のアリジゴクの罠にはまらないために、ある便利な言葉を教えてもらいました。

落ち込み、不安、後悔などのネガティブな言葉が浮かんできたら、「~と考えた。」と付け足す方法です。

 

例えば、こんな風につかいます。

「ああ、なんて馬鹿なことをしてしまったんだろう…」「と考えた。」

「もう最悪だ。私はダメ人間だ」「と考えた。」

「どうしてもやめれない。またやってしまった。」「と考えた。」

 

これは認知療法やACTなどで「脱フュージョン法」と呼ばれているもので「ラベル貼り」をしていくのです。

考えを現実そのものと思い込んでしまうと、自分の思考に飲み込まれてしまうので距離を置く必要があります。

 

「~と考えた。」と付け足すだけで、少し客観的になった気持ちになりませんか?

思考と距離を置いて、もうひとつの視点を持つことができたらしめたものです。

 

野球やプロレスの実況中継のようにできたら、もっといいですね。

「ああ、なんて馬鹿なことをしてしまったんだろう…」「と考えた」「ということに気づいた私は、少し気持ちがすっきりしはじめてきた。」

実体のない思考に巻き込まれるのではなく、生身の自分にひきもどす方法です。

「ああ、なんということでしょう。私はとめどないネガティブな感情の奔流に流されんばかりになっていたのでした。」

悪ノリできるようになったら、大成功ですね。

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