コーヒー好きにはまたも朗報です。
最近では次々と、コーヒーを飲むことは生活習慣病リスクが低下するのだと示されてきています。
今回は冠動脈の石灰化リスクとの関連においても良い影響がありそうだというお話です。
Coffee consumption and coronary artery calcium in young and middle-aged asymptomatic adults.
Choi Y et al. Heart. 2015 Mar 2.
対象は、25138人の心臓の病気を持っていない男女。平均年齢 41.3歳。
食事内容調査によって、コーヒーを飲む習慣、摂取量と冠状動脈の石灰化(CAC)との関連を調べました。
石灰化はCT(multi-detector CT)によって評価、測定しています。
全体として、CACスコアが0を超える冠状動脈の石灰化は、13.4% (n=3364) に見出されました。
「心臓病を持っていない」とされている人々を集めたわけですから、症状が出ていない人でも 13.4% ですでに石灰化があったということですね。
CACスコアが1-100 :11.3% (n=2832)
100以上 :2.1% (n=532)
ところで、全体としての1日あたりの平均コーヒー摂取量は、1.8 ± 1.5 杯でした。
ここからが解析の結果です。
CACスコアをコーヒーを飲まない人を基準にして比較しています。
1日1杯未満の摂取群:0.77 (0.49 to 1.19) つまり、リスクが23%低下
1-3杯の摂取群:0.66 (0.43 to 1.02) 34%低下
3-5杯の摂取群:0.59 (0.38 to 0.93) 41%低下
5杯以上の摂取群:0.81 (0.46 to 1.43) 19%低下
結論づける(決めつける)のは性急すぎますが、1日あたり3-5杯のコーヒーを飲むことと冠状動脈の石灰化リスク低下との関連が示唆されるということです。
コーヒーの何が良いのかということなのですが、コーヒーにはいくつかの抗酸化作用を持つ物質が含まれているのですね。
フェルラ酸 (ferulic acid)、カフェ酸 (caffeic acid)、クロロゲン酸 (chlorogenic acid) などです。
良いことづくめのようですが、問題なのはコーヒーに含まれているカフェインですよね。
カフェインの摂り過ぎで不整脈が出たり、血圧が上昇してしまわないかというのが心配です。
そうそう。興奮・緊張状態や不安など精神症状も出てくることもありますから、あくまでも“適度な量”が大切ですね。