以前に紹介した小林凛君の書籍「ランドセル俳人の五・七・五 いじめられ行きたし行けぬ春の雨–11歳、不登校の少年。生きる希望は俳句を詠むこと。」に触発されて、自分も俳句を詠みたくなりました。
ところが、私にとって俳句と言えば小学校だか中学校の国語の時間に教わったことがすべてです。
「季語」はともかく、「切れ」とか「切字」とかさっぱりわからないので、教科書が欲しくなりました。
さっそく本屋に行って店員さんに事情を話して、すすめてもらいました。
普段なら、本屋で店員さんにアドバイスを求めるということはしないのです。
自分で見つけるのも出会いだと思っていて、時間がかかっても自分で探すのが信条なのですが
今回は勝手が違うのはわかっていますから、素直にアドバイスを求めました。
それがこの本でした。
実は俳句と言えば中部病院の勤務医時代、私の外来にとても素敵な女性との出会いがありました。
その方の趣味も俳句でした。
年齢が90歳を超えていましたが、なおも創作意欲が旺盛で若々しい方でした。
ある日、その方が照れたようにある全国向けの俳句雑誌を持参してくれました。
「お正月の企画で長寿者の特集があったんですけど、そこに私の俳句が選ばれたんですよ。」
ご自身の俳句が載っているページを開けて見せてくれました。
「うわあ、良かったですね!素晴らしい!おめでとうございます。全国雑誌ですよね。すごいですねえ。」
「それがね。先生。おかしいんですよ。」
「どうしました?」
「選ばれた作者の中で、なんと私、最年少。」
そう言って、おほほと笑う笑顔がいたずらっぽくて素敵でした。
「最年少ですかあ!」
俳句って、こんなにも素晴らしく、きっと日本人を支えてくれるものに違いない。
私にとって、その時から俳句とはそういうイメージがあります。
心が動くたびに俳句が詠めたら、素敵だろうなあ。