運動が健康に良いことは誰でも知っています。
けれども、忙しくて運動ができない人は、たくさんいます。
そういう方たちも健康のために、実は最低限、出来ることはありそうだというお話かも知れません。
それは「座っている時間」を減らすこと!
「座ってないで立っていること!」
(できたら体を動かすこと。)
その根拠となる、「座っている時間の長さ」と慢性疾患についての調査報告を紹介します。
Chronic disease and sitting time in middle-aged Australian males:findings from the 45 and Up Study
International Journal of Behavioral Nutrition and Physical Activity
2013, 10:20 doi:10.1186/1479-5868-10-20
この調査の概要が以下の通りです。
このところ「座っている時間の長さ」が慢性疾患と関連する危険因子として注目されてきています。
ここでは、中年のオーストラリア人男性を被験者として、それが真実であるかどうかを調べています。
方法
オーストラリアで最も人口の多い州であるニューサウスウェールズ州が舞台です。
ウエルエイジングについての研究に参加している26万7千153人の母集団の中から
調査の条件に見合う45歳から64歳の6万3048人の男性を対象にデータを検討しました。
慢性疾患に関するデータ(心臓病、
結果
1日に4時間未満「座っている時間」に費やしている集団のリスクの度合いを「1.0」として、何倍リスクが高くなっているかを比較しています。
4時間から6時間 1.06
6時間から8時間 1.10
8時間以上 1.09
また、座っている時間が6時間以上の集団では
4時間未満の集団よりも明らかに糖尿病である割合が高いという結果でした。
別の視点で似たような調査報告をしているものもあります。
Sedentary behaviour and life expectancy in the USA: a cause-deleted life table analysis
BMJ Open2012;2:e000828 doi:10.1136/bmjopen-2012-000828
この研究の舞台はアメリカです。
寿命と「座っている時間の長さ」との関連を人口動態調査によって明らかにしようとしたものです。
この調査はかなり直接的に「テレビを見る」=「座っている時間」と結びつけています。
結果は、毎日座ってテレビを見ている時間が3時間未満であると
寿命が2年延びるという結果になりました。
また、1日にテレビを見て座っている時間が2時間未満であると
寿命を1.4年延ばすことができるという結果が得られたのです。
1日の長さは決まっていますから
「座っている時間が長い」=「運動する時間が短い」というのは当然ですね。
けれども、これらの調査では、もしかしたら長時間座ったままでいること自体が良くないかもと教えてくれています。
運動できない人にとっても「できるだけ座らないように生活する。」というのは
良い視点なのかも知れませんね。
特に座って仕事をされている方、工夫して座らないように心がけたいですね!
(私もそうです。)