100分de名著シリーズはいつも楽しみにしています。
と言っても、テレビ放送と同時進行で読んだことはなく、ほとんどがテレビの放送終了後に読むことになります。
また、私はほとんどテレビも見ないため、実はどんな放送であったのかも知らないのです。
今回は第3回目の途中からですが、水曜日の夜にたまたまオーバーナイトの待合室で番組を見る事ができました。
ブッダに扮した俳優 大杉漣さんの朗読があったり、アニメーションがあったりと興味深かったです。
今回の「100分de名著」は、「涅槃経」を題材にしています。
ブッダの有名な最期の言葉は、この「涅槃経」を出典としています。
「自分自身を島とし、自分自身をよりどころとして生きよ。それ以外のものをよりどころにしてはならない。
ブッダの教え(法)を島とし、ブッダの教えをよりどころとして生きよ。それ以外のものをよりどころにしてはならない。」
つまり、― 自分自身とブッダの教えの二つだけを島として生きよ。―
「自洲法洲」や「自灯明法灯明」と呼ばれているものですね。
仏教が自己鍛錬の道だとされるゆえんです。
そして、番組の第3回では修行によって悟りを得る方法のひとつ、八正道について触れていました。
煩悩を消滅させるための具体的な道です。
正見(正しいものの見方) 正思惟(正しい考え方) 正語(正しい言葉) 正業(正しい行い) 正命(正しい生活) 正精進(正しい努力) 正念(正しい自覚) 正定(正しい瞑想)
面白いなあと思ったのは、この「正しい」の反対語はブッダの教えでは「自我」だという説明でした。
なぜなら八正道の基本は「自分中心の誤った考え方を捨てて、この世のありさまを正しくありのままに見る」ための生活方法。煩悩を消すための方法です。
「自我」に揺れている間は、正しくありのままに見ているわけではないということです。
これには思い当たるフシがあります。
嬉しいことがあったとしても有頂天になって何もせずにいたら、次の展開ではかならずと言っていいほど落ちていきます。
反対に失敗だと残念に思ったことが、思わぬ良い結果を導き出すこともあります。
「嬉しい」と思ったり「残念」と悔しがったりするのが「自我」だとすると、八正道からはきっとはずれているのでしょう。
この視点はとても勉強になりました。
実は来週が第4回。最終回なのですね。
楽しみにしたいと思います。