「脂肪吸収を抑える」という文字がコンビニの店頭に並んでいます。
特にウーロン茶などは、その代表格ですね。
今日はウーロン茶が脂肪吸収を抑える理由について。
もしかしたら、少し誤解されている方もいるのではないかと思うので説明してみます。
(ウーロン茶が脂肪を包み込んで、吸収しにくくするとか?アブラ分を薄めるとか?)
その前に、まず脂肪はどういう風に吸収されるのかを説明します。
脂肪と言っても、本来はたくさんの種類があるのはご存知ですね。
食品に含まれる脂肪は、その多くは中性脂肪の形をしていて化学的に安定しています。
体内に入った中性脂肪は、胃を通り、その次の十二指腸で胆汁と混ざって乳化されます。
乳化された後に、膵臓から分泌されるリパーゼの働きで、細かくグリセロール、脂肪酸、モノグリセリドなどに加水分解されます。
グリセロールは水に溶けやすく、そのまま小腸から吸収されていきます。
そのほかは、ミセルという小さい分子に取り込まれて腸管から吸収されます。
実は、それで終わりではなく、小腸から吸収された後にタンパク質と結合してカイロミクロンという大きなリポタンパク質をつくり
リンパ管から吸収されてリンパの流れにのっていくのです。
食後3~4時間をかけてやっと脂肪は吸収されていきます。
思ったよりも複雑な経路で吸収されていくのがおわかりいただけたでしょうか。
ウーロン茶はウーロン茶重合ポリフェノールという成分が多く含まれています。
ウーロン茶特有の黒色の元です。
このポリフェノールが、脂肪分解酵素であるリパーゼの作用を抑制して、吸収率を減少させるのです。
リパーゼ阻害活性試験の結果です。(ここにリンクを貼っておきます。)
繰り返しになりますが、脂肪は、リパーゼの働きが抑制されるので吸収されないのです。
ですから、吸収されなかった脂肪の影響についても、少し理解していた方が良いですね。
吸収されなかった脂肪は大腸での水分吸収を妨げることになります。
また、ガスによる腹部膨満感、急な便意、排便回数の増加などの症状を起こすかも知れません。
働きがあるものには、どのようにして働くのか。
確認すると、理解が違ってくるかと思います。