私にとって英語は「あちら様」の言葉ですから、日本語のように由来を調べることはあまりないのですが、今回は対比の意味もあって調べてみました。
日本語の「さようなら」と英語の「goodbye」です。
「さようなら」は、もともとは接続詞で「左様ならば(そういうことならば)」からきているのだそうです
語感の通り、江戸時代後期に一般化された言葉です。
そういうことならば、何?と思いますよね。
そう、その通り、「さようなら」はもともと接続詞なのです。
そのあとに続くのは、「ごきげんよう」「のちほど」などの別れを表す言葉です。
「そういうことならば、ごきげんよう」
そのあとに「ば」が省略され、別れの言葉の方までもが省略されてしまったのでした。
省略されたというよりも、むしろ敢えて表に出さないことを選んだのかも知れませんね。
それが「粋(いき)」だったのかも。
それにしても、接続詞を別れの言葉とするのは世界の言語の中では非常に珍しいようですよ。
さて、「goodbye」の方は、その起源をたどると、宗教的な意味合いや文化的な変遷が見えてきます。
まず、「goodbye」は「God be with ye」というフレーズが、時を経て変化したものです。
その人との別れに対して、「あなたに神のご加護がありますように」という言葉を贈っていたのです。
しかし、時代が流れ、社会の中で宗教の影響力が変わるにつれて、その言葉も形を変えていきました。
特定の宗教的文脈から離れ、さまざまな文化や人々に受け入れられて、より広範な意味での「別れ」や「再会を願う気持ち」を表すものとなっています。
言葉というのはその変遷をたどると、本当に面白いですね。
