正直に言います。
今日は、普段、私の思考の範疇にないお話をします。
元論文はこちら→
Kawakubo A, Oguchi T. Salon nail care with superficial self-disclosure vitalizes psychological state. Front Psychol. 2023;14:1112110. Published 2023 Sep 19. doi:10.3389/fpsyg.2023.1112110
この研究は、「ネイルケア」という美容行為が、「見た目を良くする」以上の心理的効果を持つことを明らかにしたものです。
川久保氏の研究チームは、日本の都市部に住む20代から30代の日本の女性500人を対象に、オンラインで詳細な調査を実施しました。
この調査では、参加者の年齢、居住地、婚姻状況、家庭の収入、そして化粧品に対する月々の支出など、多岐にわたるデモグラフィックデータが収集されました。
さらに、ネイルケアに関する習慣や頻度、そしてそれが心理的にどのような影響を与えるかについても尋ねられました。
ここで興味深いのは、川久保氏が開発した4点スケールによる心理的影響の評価です。
このスケールにより、ネイルケアが参加者に「どれだけ」ポジティブな感情やリラクゼーションをもたらすのかが定量的に評価されました。
この研究の結果、サロンでネイルケアを受けることが自宅で行うよりも心理的に有益であることが明らかになりました。
特に、サロンでのネイルケアを受けた女性は、自宅でネイルケアをした場合よりも、明らかにポジティブな感情とリラクゼーションが高まると報告しています。
また、この研究はネイルケア中の「自己開示」にも焦点を当てています。
サロンでの会話は、心の中の扉を少しだけ開く行為であり、その結果としてポジティブな感情が高まるのです。
しかし、注意が必要なのは、自己開示の「質」です。
趣味や日常生活についての浅い自己開示は、ポジティブな感情を高めます。
しかし、ネガティブな性格や困難な経験について深く話すと、逆効果になる可能性があるとされています。
つまり、ネイルケアを楽しむ際には、会話の内容も考慮に入れるべきなのです。
この研究は日本の都市部に住む女性を対象にしているため、他の文化や地域での適用は不明です。
しかし、確実なのは、美容と心の健康が密接に関連しているということです。
