前回の「2分間ミステリ」は推理よりも知識量を問われている感じがして物足りない気がしたので、次の本を探してみました。
今度は「5分間ミステリー」なので、3分間バージョンアップしています(笑)。
前書は洋書の和訳本だったのですが、この本は新保博久さんというミステリ評論家が編集したものです。
「はじめに」に、作者からのこんな弁明がありました。要約して紹介すると
「犯人当てパズルの本を書くことには抵抗があった。自分が中高生の時に親しんだ同種の本は、先人作家のトリックを流用しているだけで風味がそこなわれるものばかりだったからだ。それでも初めての著書が出せるという誘惑に負け、先人の推理小説をベースにトリックを加工し、名探偵のパロディに仕立てた。パロディはダジャレが多いが、詳しい人には笑ってもらえるかもしれず、モデルとなった探偵の原作にも興味を持ってもらえたら、営業妨害の罪も軽くなるかもしれないと思った。」
確かに、この本に出てくる名探偵のパロディはダジャレだらけでした。たとえば、以下の通りです。
ボロウン神父 ⇦ ブラウン神父
俳人二十面相 ⇦ 怪人二十面相
赤字小下太 ⇦ 明智小五郎
ヘボキューリ・ピエロ ⇦ エルキュール・ポアロ
ダジャレのセンスはともかくとして、古今東西の探偵の広がり方が、さすがミステリ評論家だと感心しました。
解答ページには、モデルにした探偵名とその作者、プロフィールや代表作などが紹介されています。
つまり、出典がわかるようになっているのは原作者へのリスペクトが感じられてとても良い印象でした。
面白かったです。しばらく、この「◯分間ミステリー」にはまっていそうです。