泉鏡花はたたきあげの文士として知られていて、彼が紡ぎ出す日本語は、表現の素晴らしさはもとより、その幻想的で神秘的な独特の世界に大変魅了されます。
特に「高野聖」は「声に出して」読みたい小説のひとつで、何度もまた読み返したくなる、中毒性のある小説だと思います。
調子がついてきてリズムよく読み上げられるようになると、まるで講談師のシナリオのようにお話がポンポンと進んでいくのが心地よいのです。
いくつかYouTubeで朗読をあげてくれているチャンネルがありますから、それを流しながら読み進めても良いかと思います。
この時代の文豪たちの、美しいけれど硬い日本語は、現代の私たちにとって学び直しの日本語として取り組むのも良いかと思います。
「高野聖」は、いわゆる怪奇小説なのですが、超自然的なお話で終わらせずに、あくまでも現実に引き戻して話を展開させていくところは、まるで映画を見ているようです。
高野聖は、青空文庫で全文を読むことができます。
こちらにリンクを貼っておきます ⇨ 「高野聖」
ウィキペディアにあらすじが載っていますから、それを頭に入れてから読み始めるのも良いかも知れません。