「ナイル殺人事件」の旧作は、1978年の公開時に、映画館で観た思い出があります。
当時、中学生だった私は、アガサ・クリスティーの原作「ナイルに死す」を読んで予習をし、名作ミステリーの映画化に備えたものでした。
当時のキャッチコピーが「絶対に結末は教えないでください!」でした。
今から思えば、これからご覧になる方のために、結末は決して話さないで下さいというミステリー映画の常套コピーの走りだったのでしょうか。
さて、先日2022年版の「ナイル殺人事件」を配信で観ました。
登場人物の細かい設定に多少手を加えられているものの、ほぼ原作に忠実であるのが嬉しかったです。
ちょっと気になったのが、VFXが発達している分だけエジプトの背景が絵画的でありすぎたこと。
後で別の配信サービスで1978年版を見直してみましたが、現地ロケをふんだんに取り入れた前作のリアリティの方が勝っていたように思いました。
けれども、2022年版は乗船している登場人物を少数に整理したり、よりストーリーに集中しやすくなっていたと思います。
名作ミステリーの映画化、しかもリメイクですから、見せ方にも二重三重の工夫とひねりが必要ですし、セリフを回していく脚本も苦労のあとがうかがえたような気がします。
観終わった後に思ったことは、やはりアガサ・クリスティーは偉大だということでした。
今でもファンに愛され、原作として何度もリメイクされていくのがわかる気がします。