半開の花

 

 

今日は菜根譚の一節から紹介します。

 

看開、酒飮醉、此中大佳趣

若至爛熳骸醄、惡矣

履盈滿者、宜思之  

 

以下は書き下し文です。

 

花は半開を看、酒は微酔に飲む、此の中に多いに佳趣あり。

若し爛熳骸醄(らんまんもうとう)に至らば、便ち悪境を成す。 

盈満(えいまん)を履(ふ)む者は、宜しくこれを思うべし。

 

以下は意訳です。

 

花は半開の五分咲きを見、酒は微酔のほろ酔い加減に飲む、此の中に何とも言えぬよい趣があるのである。

満開の花を見、酒は泥酔になるまで飲むというのでは、かえって醜悪な境界になる。

満ち足りた境遇にいる者は、この点をよくよく考えねばならない。

 

特に「花は半開を看、酒は微酔に飲む」という文が切り抜きされて有名ですね。

「酒は飲むもの、飲まれたらあかん」とストレートな戒めとして読んでも良いですし、足るを知る心についての教訓を汲み取っても良いですね。

「人は万事に控えめが良い、少々足りないぐらいを最適だと自覚した方が良い」とも言えます。

何事もほどほどが良いのです。

もちろん、これができないからいつまでも「醜悪な境界」の住人なのですが。