映画「たそがれ清兵衛」をビデオで観ました。
原作は藤沢周平さんの同名の小説ですが、映画オリジナルのシナリオのようです。
映画オリジナルと言っても、清貧な暮らしを苦と思わず、そのために人々の評判があまりよくない下級武士が主人公であること。
その彼が、外観とは違って切れの良い剣の腕前を披露する展開は、藤沢周平さんの世界そのものだと思いました。
物語の舞台は、殺伐とした幕末。
主人公は、時代の波に運命を翻弄されていきます。
彼が大切にしてきたものは、地位や名誉ではなく、家族や自分の愛する人との穏やかな暮らしです。
子どもの成長を見ることが、作物が育つ時のように幸せな気持ちになるという清兵衛の表情は、輝いていました。
映画館にもなかなか行けない時期ですが、昔の映画を見直す喜びがあります。
まだ観ていない方にもおすすめの映画です。