「やればやれるといいたくない」

 

国語教育者の大村はま先生の言葉は、子ども達と真摯に向き合って実感した生きた言葉として胸に響きます。

(ここで紹介している言葉のほとんどは「大村はま記念国語教育の会」のサイトから引用させていただきました。)

例えば、大村はま国語教室の会会報『はまかぜ』より

子どもたちに、安易に、だれでもやれる、やればやれるといいたくない。やってもできないことがある―それも、かなりあることを、ひしと胸にして、やっても、やってもできない悲しみを越えて、なお、やってやって、やまない人にしたいと思う。

この言葉は、大村はま先生とは何者なのか、もっとよく知りたいと思ったきっかけとなりました。

「努力すれば、どんなことでもできる」そういうふうな言い方は、人間や人生の真実が見えていないのだな、と思います。

そのうえで、「やっても、やってもできない悲しみを超えて、なお、やってやって、やまない人」となってもらいたいということなのでしょう。

次の言葉は、教育者としての大村先生の信条が垣間見えるようです。(『大村はま講演集 上』より)

子どもをかわいいと言うのでしたら、子どもが一人で生きていくときに泣くことのないようにしてやりたいと思います。今のうちなら、たとい勉強が苦しくて泣いたってかまわないのですが、いちばん大事なときに泣かないようにしてやりたいと思います。

また、こんな言葉もあります。(「やさしい国語教室」より)

 どんな考えでも、たとい、よい考えと思わなくても、これかなと心に出てきたことは、どんどん書いて、字で書かれた「目に見えるもの」にしていくといいのです。すると頭の中だけで、あれこれ思いくらべていた間とは違って、だんだん、光がさしこんでくるように、いろいろな考えの区別がついてきます。…ふしぎに結論が出てくるものです。

今、大村はま先生の著作を求めて、まとめ読みしたいと思っています。

 

 

 

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