「考えるべきでないことを考えるループ」に陥ってしまっている方が時々いらっしゃいます。
嫌な感情をしょっちゅう思い出しては、ストレスを溜めていくようです。
例えば、家で血圧を測定すると、そればかりが気になってしまい、何度も何度も測定するばかりか、血圧があがっていたらどうしようと心配で落ち着かないのだそうです。
一番リラックスしているはずの自宅でさえそうなので、クリニックで測定すると間違いなく血圧が高くなっていますし、脈拍数も上昇しています。
そういう方々に「気にしないように」と言っても、なかなか通じませんね。
しょっちゅう思い出しては、その考えに集中してしまうのです。
そのループから抜け出す最初の一歩目は、その「嫌な感情」が起こっていることに気づいてもらうことだと思っています。
自分の心で自分の心を観察すること。
「あ、緊張している」「心臓がドキドキしている」「駆血帯がぎゅっとするのが苦手だと思っている」
観察するという行為は、そこに実際に起こっていることの「事実」の確認です。
「考えるべきでないことを考えるループ」は、今起こっていないこと、将来的にも起こらないかも知れない「事実でないこと」を繰り返し繰り返し思いついては、無限に考えているのです。
そこにない虚像を妄想していると言ってもいいですね。
妄想であることに気づくこと。
実は、これがなかなか難しいのですが、自分の心を実況中継する方法を試してみるのもいいかも知れません。