映画「マシニスト」は、とにかく主演のクリスチャン・ベールの役者魂に感服しました。
クリスチャン・ベールと言えば、バットマンのイメージが強い俳優さんですが、この映画のために29Kgの減量を果たしたそうです。
そのストイックさは鬼気迫るものがありましたし、その迫力が映画の世界に尋常ならざる狂気を演出していました。
彼がガリガリの体を使ってマイムする姿などはジョークなのですが、「なぜこうなってしまったのか」というのと「彼はこれからどうなってしまうのか」というのが入り混じって切なさが漂うのです。
最後の最後に、彼の真実が明らかになるとき、観客は終着点に「彼はやっと救われるのかも知れない」と安堵することになります。
1年間不眠で苦しんだ彼が、最後のシーンで椅子に倒れこむように目を閉じて睡魔を招き入れる様子が象徴的でした。