体温には「深部温度」と「外殻温度」の2種類があって、測定の時には気をつけなければならない場合があります。
特に熱中症を疑う場合が、その最たる場合です。
深部温度というのは、食道温、直腸温など、体の比較的内部の体温のことです。
外殻温度は、腋窩温や舌下温のことで体の比較的表面の温度です。
注意しなければならないというのは、これらの温度に差があるからで、深部温度の方が高めです。
腋窩温を基準とすると、それより約0.5℃高いのが舌下温。舌下温より約0.4℃高いのが深部温度ということになります。
しかも、腋窩の皮膚は汗や水分などで冷やされている可能性もあるので、腋窩温は病状を把握するのに適していません。
例えば、今日、自分で「軽いけど熱中症かも知れない」と言って受診されてきた方がいましたが、慣れたもので腋窩と頸部を冷やしながら来院されてきていました。
熱中症の分類ではⅠ度とⅡ度では体温は「正常かやや上昇」です。
状況と症状で判断する必要があります。