「判断すること」=「ジャッジすること」が、公平な目を失わせてしまうことがあります。
特に外来診察室で、生活習慣病の患者さんに対しては「判断すること」が邪魔になることが多く、「判断しないこと」を心がけているところがあります。
血液検査のデータを一緒に見ながら、どうしてその結果になったのかを患者さんと一緒になって考えます。
前回の外来から今回までの「暮らしぶり」を振り返る作業になります。
あくまでも医師は、その振り返りを聞くインタビュアーですから、型にはめようと誘導したりはしません。
せっかく出てきているのに本人が気づかない場合には、改めて表面に出して確認することはあります。
「判断する」と、それは私の好みや性格、あるいは血液検査の数値の良し悪しに左右されがちです。
「良かった、悪かった」に終始してしまって、「暮らしぶり」の振り返りにまではいかないことが多いのです。
何より検査結果が全てになってしまうと、外来に通うのがつらくなります。
「判断しない」
なかなか難しいことですが、心がけていることです。