暑さが続き、湿気も増してきて、体調を維持するのに苦労する季節になってきました。
そのうえ仕事上の疲れもたまってきて、風邪を引いて受診される方が多くなってきたように思います。
昔から「風邪は万病のもと」と言います。
一方で、昔の人は「風邪というものは治療するものではなくて、経過するもの」とも言いました。
医者も、風邪の患者さんを診察するのは難しいのです。
人によって風邪の症状は千差万別です。つまり、その人の食事、体力、仕事内容、睡眠の質、生活環境など全てが関わってくるからです。
風邪は、よく言われることですが、治さねば治らぬものではありません。上の言葉にあるように、風邪のほとんどが養生して経過すれば軽快していきます。
ただし、風邪を引くようなバランスを欠いた生活を改めなければ、いつまでも症状が続くのは当然のことです。
医者が処方するのは、患者さんの症状を和らげて、その場をしのぎやすくする一時的な薬です。治療薬と言えないでもないですが、厳密な意味では違います。自然治癒力が効力を発揮するまでの時間稼ぎの薬です。
風邪を引いたら、「風邪を引くような生活だったのだ」という事実に焦点を当ててみましょう。
休みがとれず、疲れがたまっているところを「もういいかげん休みなさい」というサインなのかも知れません。もっと言い換えれば、大病を未然に防ごうとするサインなのかも知れません。
体の声に耳を傾けること。
無理をしないで、休むときにはしっかりと休んでください。