孤独感は人格を徐々に変えていく

 

孤独とは、私たちの心に静かに忍び寄り、時には心の深層にまで影響を及ぼしてしまうものです。

その孤独感が、特定の人格を形づくっていくことを明らかにした研究があります。

かつて人格は、生まれつきのものであり、変わることのない固定された特性と考えられがちでした。

しかし、最近の研究では、私たちの人格は思いのほか柔軟で、生涯を通じて変化するものだということが明らかになっています。

つまり、孤独を感じることで、私たちの社交性、友好性、日々の生活への取り組み方が徐々に変化していくのだそうです。

神経症の傾向がある方というのは、孤独を感じやすい傾向にありますが、孤独感もまた神経症傾向を増加させていきます。

負の感情は孤独感を導くだけでなく、孤独感がさらに負の感情を引き起こす悪循環が存在するのです。

孤独感は、単に寂しいという感情以上のものであり、私たちの人格発達における重要な要因となるわけです。

言い換えれば、孤独感に対処することは、社会的スキルを向上させることだけでなく、人格特性を育むチャンスとなり得ます。

孤独感を経験することは、時には避けられないものかもしれませんが、それを成長と発展の機会として捉えることで、私たちはより強く、より豊かな人間へと進化することができる。

この研究の落としどころとしては、そんな感じになるのでしょうか。

 

元論文:

Mohsen Joshanloo,Within-person associations between personality traits and loneliness controlling for negative affect,Personality and Individual Differences,Volume 223,2024,112609,ISSN 0191-8869,https://doi.org/10.1016/j.paid.2024.112609.