帯状疱疹ワクチンの効果

 

帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)の再活性化によって生じます。

このウイルスは、水痘(水ぼうそう)に感染すると体内に潜伏し、免疫力の低下とともに再び活性化してくるのです。

幼いころにかかった水ぼうそうが、成人になって表に出てくるわけです。

帯状疱疹の主な症状は、皮膚に沿った痛みと皮疹の発生です。

特に50歳以上の高齢者や免疫抑制状態の人々に多く見られます。

ダイナメッドのデータによると、帯状疱疹の発症は年齢とともに増加し、60歳以上では1000人年あたり10件、80歳以上では1000人年あたり20件に上ると報告されています。

また、帯状疱疹後神経痛は、帯状疱疹患者の約10〜18%に発生し、特に高齢者に多い合併症です。

予防策として、ワクチン接種が推奨されています。ワクチンは、帯状疱疹の発症リスクを約51%減少させ、帯状疱疹後神経痛のリスクを約67%減少させることが示されています。

特に、50歳以上の人々に対してワクチン接種が推奨されています。

帯状疱疹ワクチン(RZV)は、50歳以上の人々に対する強力な防御手段として登場しました。

このワクチンにどれほどの効果があるのかというデータが出されています。

研究者たちは、RZVの1回目の接種で64%、2回目の接種で76%の効果があることを認めました。

特に注目すべきポイントは、2回接種後の効果が時間が経過してもほとんど減少しない点です。

初年度には79%の効果があり、その後も75%から73%と高い効果を維持しています。

一方で、1回接種の効果は時間とともに減少し、3年以上経過後には52%になりました。

この研究から、RZVが高い有効性を持つことが明らかになりました。

特に2回接種の重要性が強調されています。

帯状疱疹から身を守るためには、ワクチン接種を完了することが鍵となるでしょう。

ただし、問題もあります。

帯状疱疹のワクチン接種は自費となるため、その費用がネックとなります。

 

元論文:

Zerbo O, Bartlett J, Fireman B, Lewis N, Goddard K, Dooling K, Duffy J, Glanz J, Naleway A, Donahue JG, Klein NP. Effectiveness of Recombinant Zoster Vaccine Against Herpes Zoster in a Real-World Setting. Ann Intern Med. 2024 Jan 9. doi: 10.7326/M23-2023. Epub ahead of print. PMID: 38190712.