日本におけるCOVID-19ワクチンの影響:2021年のデータに基づく分析

2021年の日本のCOVID-19ワクチン接種の効果を検証する論文が「nature」の「scientific reports」にオープンアクセスで掲載されています。

 

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Kayano, T., Ko, Y., Otani, K. et al. Evaluating the COVID-19 vaccination program in Japan, 2021 using the counterfactual reproduction number. Sci Rep 13, 17762 (2023). https://doi.org/10.1038/s41598-023-44942-6

この研究では「もしもワクチン接種がなかったら」という事実とは異なるシナリオを想定することで、2021年のワクチンの有効性を評価することを目的としています。

実際のところ、日本は2021年に全国規模で、ピーク時には1日あたり100万人以上が接種されました。

研究の結果、ワクチン接種がなければ、研究期間中の感染者数と死者数はそれぞれ約6330万人(95%信頼区間 6320万~6360万)と36万4000人(95%信頼区間 36万3000~36万6000)と推定されました。

一方、実際の感染者数と死者数は470万人と1万人でした。

結論として、ワクチンは非常に高い有効性が示され、死亡率を97%以上削減したことになります。

そして、さらにワクチン接種が14日早ければ、実際の数よりも54%の感染者数と48%の死者数を減少させることが可能だったことが推定されています。