子供時代の食卓での戦いは、大人になっても続くようです。
あの「ブロッコリーは食べない!」とか「ピーマン嫌い!」という喧騒は、時を経ても変わりようがなかったのです。
オランダで行われた14年間にわたる研究が、子供時代の好き嫌いが多い食事習慣が、大人になった時の食事選択に影響を与えることを明らかにしました。
元論文はこちら→
Pereboom J, Thijs C, Eussen S, Mommers M, Gubbels JS. Association of picky eating around age 4 with dietary intake and weight status in early adulthood: A 14-year follow-up based on the KOALA birth cohort study. Appetite. 2023 Sep 1;188:106762.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37385471/
この論文は、子供時代の好き嫌いが多い食事習慣が、大人になった時の食事選択にどのように影響するかを調査した14年間の縦断研究について報告しています。
オランダで行われたこの研究では、4~5歳の時点で好き嫌いが多かった子供たちは、18歳頃になると果物や生野菜、調理済みの野菜、魚、乳製品を食べる頻度が低くなることが示されました。
一方で、甘い飲料やスナック、肉、卵の摂取量との関連は見られませんでした。
この研究は、子供時代の好き嫌いが多い食事習慣が、若い大人の食事選択や体重状態にどのように関連しているかを調査することを目的としています。
研究者は、KOALA出生コホート研究というデータベースを利用し、2000年から2002年にかけて南東オランダで妊娠した2,768人の女性とその子供たちを対象に調査を行いました。
この研究の結果、好き嫌いが多かった子供たちは、大人になった時点で果物や生野菜、調理済みの野菜、魚、乳製品を食べる頻度が低かったことが報告されました。
また、正常な体重の若者は、子供時代の好き嫌いのスコアが平均的に低かったことが示されました。
しかし、他の体重カテゴリーの参加者の子供時代の好き嫌いのスコアはそれほど異ならなかったとのことです。
研究者は、子供時代の好き嫌いが多い食事習慣が、若い大人の間で健康的な食品の摂取頻度を低下させることと関連しているため、若い子供たちの好き嫌いが多い食事習慣に十分な注意を払うことが推奨されると結論づけています。
しかし、この研究には限界もあります。
研究者たちは、参加者が若い大人になった時点で好き嫌いを再評価していませんでした。
また、食事頻度の調査では、食品の摂取頻度に関する質問のみを行い、量に関する質問は行いませんでした。
量が考慮された場合、結果は異なるかもしれません。
この研究は、子供時代の好き嫌いが多い食事習慣と、後の年齢での食事選択との間の関連性を探る一歩として、興味深い洞察を提供しています。
つまりは「三つ子の魂百まで」を実証したことになるのかも知れませんね。