「自分を変える方法」などというタイトルからして、私が最近めっきり読まなくなったジャンルの本です。
ただ、年齢を重ねれば重ねるほど変化し続けることが大切だというのはわかっているつもりなので、筆者には失礼ですが、パラパラ読みでもいいから目を通すようにはしています。
行動科学者ケイティ・ミルクマンが教える「自分を変える方法」は、まず人の行動原理をよく理解することが出発点になります。
キーワードは「適切なタイミング」「何度も挑戦」「誘惑を味方に」
まず、「適切なタイミングで行動を始める」。
例えば、元旦に「今年は毎日運動する!」と誓ったら、その誓いを実行に移す確率が高くなります。
新年、誕生日、卒業、新しい仕事…。
これらの「新しいスタート」の瞬間は、人が行動を変える最適なタイミングとされています。
このタイミングを逃さずに行動を始めることが、習慣化への第一歩を踏み出します。
次に、「何度も挑戦することが大事」。
その新年の誓いの成功率は約20%というデータがあります。
20%という数字は意外に少ないと思うでしょうか?
けれども、その20%(具体的には5人にひとり!)が人生を変えたとしたなら、決して小さい数字ではありませんね。
失敗を恐れずに何度も挑戦すれば、いつかはうまくいく確率が高くなります。
例えば、起業家の多くは何度も失敗を経験しています。
しかし、その失敗が次の成功への糧となります。
失敗を恐れず、何度も挑戦することで、成功への道が開かれます。
そして、最も興味深いのが「誘惑を味方につける」。
誘惑というのは、人が目の前の快楽に負けて、長期的な目標から逸れてしまう大きな要因です。
まさしくネガティブなイメージがこびりついた言葉です。
では「誘惑を味方につける」とは、いったい何でしょう?
例えば、ダイエット中の人が運動後にだけケーキを食べると決めることで、運動そのものが楽しみに変わります。
また、仕事や勉強に集中できない人は、25分間集中して作業した後に、5分間だけスマートフォンをいじる時間を作ります。
この短い休憩が、次の25分間の集中力を高めます。
さらに、貯金が苦手な人は、買い物をする前に一定の額を貯金するルールを作ります。
この習慣が身につくと、ショッピング自体が貯金の動機となるわけです。
そのものズバリ「ニンジン作戦」ですね。報酬を利用するのです。
行動科学の力を借りて、自分をうまくコントロールすることができれば、自分を高みへと押し上げていくことができるというわけです。
(理屈では、そうなんですけどね。笑)