ものを見るということ

 

今回は「なぜ私たちにはものが見えるのか?」という問いについて考えてみます。

私たちは目を通して、光を電気信号に変換し、脳で処理しています。

しかし、このプロセスには多くの不思議が隠されています。

たとえば、私たちの目には「赤」、「緑」、「青」の 3 つのセンサーがありますが、「黄色」のセンサーは存在しません。それなのに、なぜ「黄色」が見えるのでしょうか?

この疑問に対する答えは、「赤」と「緑」の色を同時に見ると、私たちの脳が「黄色」と感じるという事実に隠されています。

つまり、「黄色」は外部の世界で存在しなくても、私たちの中で「感じられる」色なのです。

また、私たちが見ている「赤色」が隣の人と同じかどうかも興味深い疑問です。

実は、遺伝子によって「赤色」のセンサーが異なり、人によって感じる「赤色」が違うことが分かっています。

このように、私たちの視覚は単純なものではなく、複雑で奥深いものです。

目の前にあるものを「見る」ことは、単に光を感じるだけではなく、それを解釈し、理解するプロセスでもあります。

「みる」という漢字を当てるだけでも、「見る」「視る」「観る」「診る」「看る」などがあり、しかもそれぞれに意味が違ってきますね。

私たちの感覚は外部の世界だけでなく、人々の心や感情にも深く関連しています。

感覚は、私たちが世界を理解し、他人とつながる手段です。

それは単なる生理的な反応ではなく、私たちの存在そのものと言っても過言ではありません。

だからこそ、感覚について深く考えることは、私たち自身についての理解への道となるのです。