「午後の低迷期」に打ち勝つアプローチ

 

空港ターミナルを想像してみてください。

夜のターミナルでは、全ての店舗が閉じた静かな空間を、家路を急ぐ人々がまばらに移動していきます。

朝になると全く違ってきます。ターミナルは元気になり、人々が動き始め、店舗が開き、おなじみの空港内のアナウンスも大きく響いてきます。

これは、人間の体が1日の中で体験する自然なリズムによく似ています。私たちの体は、特定の時間帯には活動的で、他の時間帯には休息を必要とします。

このリズムは、サーカディアンリズムと呼ばれるもので、多くの生物、特に人間にとって重要なものです。

特に注意すべきは、午後の2時から4時の間に起こる「午後の低迷期」です。

これは、体の内部クロックが自然に設定した休息時間で、この時間帯には人間のパフォーマンスが低下し、注意力や意識の集中力が落ちてしまいます。

このリズムは生物学的なものであるため、調整することは困難です。しかし、午後の低迷期にパフォーマンスを向上させる方法はいくつかあります。

まず、昼食に大量の単純炭水化物を摂取すると、インスリンのレベルが急激に上昇し、その後急激に下がってしまいます。これは、体の血糖値を下げて眠気を引き起こします。

それが午後の低迷期と重なると、人はとても眠くなってしまうのです。そのため、昼食はバランスの良い食事を摂ることが重要です。タンパク質、脂肪、繊維を含む食事は血糖値の安定に役立ちます。

午後の低迷期に効果的な休息を取ることも重要です。適切な休息は、仕事から心の距離を取り、身体を動かし、外に出て他人と交流することを含みます。これによりエネルギーレベルが上がり、疲れが軽減されます。

また、10から20分のパワーナップを取るという方法もあります。パワーナップというのは、短時間の昼寝のことを言います。

これにより、約3時間の高い意識の集中力を維持することができます。ただし、これ以上長く眠ると深い睡眠に入り、起きるときに眠気が残る可能性があるので注意が必要です。

私たちは、一日の中で自分たちの精神的能力がどのように変化するかを理解する必要がありますね。

自分自身の生物学的リズムに合わせて無理のない生活を過ごしたいものです。