映画「オッペンハイマー」

 

アメリカで大ヒットを記録している映画「オッペンハイマー」。

この映画は、第二次世界大戦を扱った作品として過去最大のヒット作となり、全世界の興行収入は6億ドルを突破しているそうです。

監督はクリストファー・ノーラン。

バットマンシリーズやそれ以降のSF作品で有名な彼が、今回は原爆の父と言われる科学者オッペンハイマーの生涯を描いた作品を手がけました。

この映画は、アメリカだけでなく、ヨーロッパ、中南米、アジアでも公開されており、中国や韓国でも公開が決まっています。

しかし、日本ではまだ公開されていないため、非常に高い関心を寄せています。

この映画の何がすごいのか。

それは、R指定であること、3時間という長い上映時間、そして派手なアクションがない伝記映画であるという、3つの不利な要素があるにも関わらず、大成功を収めている点です。

映画の内容に少し触れてみます。

この作品は、原爆を作った後のオッペンハイマーの苦悩を描いています。

彼は英雄としても悪人としても描かれておらず、戦争を終わらせた英雄として描くこともできたでしょうが、そうは描かれていません。

赤狩りと言われる共産主義への恐怖が原爆開発の背後にあったこと、原爆使用後の苦しむ家庭の描写など、非常に丁寧に描かれています。

この映画を見たアメリカ人は、どう感じたのでしょうか。

アメリカ人的な感覚で見ると、大きなわかりやすい主題がないこと、写実的な映画であること、英雄としても悪人としても描かれていないことなどが興味深いと感じられたようです。

日本人的な感覚で見ると、やはり色々な考えが浮かぶでしょう。

原爆の父と言われる人物の生涯を描いた作品が、日本でどう受け入れられるのか、非常に興味深い問題です。