「意識とは何か」
いきなり厨二病っぽい問いかけですが、冗談ではなく、この問いは、科学者や哲学者が何世紀にもわたって探求してきたテーマです。
意識がなければ、自分やほかの何かの存在を証明する方法はありません。
けれども、意識がどのように生まれるのか、まだ明確な答えは見つかっていないのです。
意識が生まれる場所は誰もが知っています。脳のどこか?脳の奥深く?
それはそうでしょう。何十億ものニューロンからなるこの驚異的な器官は、意識を生み出しているはずです。
その証拠に、そのサイズにそぐわず、脳は大量のエネルギーを消費しています。
とは言っても、意識の神経相関(NCC)はまだ完全に解明されているわけではありません。
科学は客観的なプロセスと機能を説明することができるのですが、主観的な経験がどのようにして脳から生じるのかを説明するのは、いまだに難しいのです。
これは意識の「ハードプロブレム」と呼ばれている問題です。
哲学者や科学者はこの問題について、意見が分裂しているのだそうです。
一部は意識が単純に説明できるという派、他方はそれが認知的な幻想であるとする派です。
もちろん、答えを見つけるために、脳そのものをより深く理解する必要があります。
哲学的にも、脳を理解することは、自己の存在を理解することにつながります。
「人間が全てのものの尺度である」と言ったのは、古代の哲学者ピタゴラスでした。
意識の問題が解決されるまで、「人間は全てのものの尺度である」と言うのは正確ではありませんね。
「人間は自己を除く全てのものの尺度である」と言った方が適切かも知れません。