ふと、何か新しいことを始めたいと思う瞬間があります。
健康のために運動を始めたい、本をもっと読みたい、語学学習の習慣を身につけたいといったものかもしれません。
そこで新たに挑戦することを決心します。最初の数日間は新しい習慣に対するモチベーションと興奮が満ち溢れていて、充実していますし、うまくいくことが多いです。
けれども、日々が過ぎるにつれ(だいたい3日過ぎると!)その新たな習慣への興奮は薄れていきます。
そのため、「いいや、明日やろう」と言い訳が口に出てしまいます。明日が来てもやる気になるわけがありません。もう一度、「明日」と言います。これが続くと、新たに始めた習慣はすっかり忘れ去られてしまうのです。
こんな経験は、誰もが何度も繰り返してきたことでしょう。
でも、何故これが起こるのでしょうか?新しい習慣を続けるのは何故そんなに難しいのでしょうか?
その理由のひとつは、作ろうとしている習慣が大きすぎて心理的な抵抗が生じるからだと言われています。
例えば、最初はやる気に満ちていますから、何かを行うことはとても簡単です。ジムに1時間行くことはそんなに大変ではありません。なんなら「頑張ろうとしている自分ってエラい!」と気持ち良くなっていて、自分にとても高い期待を抱きやすくなっているほどです。
「最初の数日間、1時間ジムに行った。これからは毎日1時間ジムに行こう」と思ってしまいます。それがワナです。そこで、初期の目標を間違えてしまうのです。
だからモチベーションがないとき、ハードルがあがってしまって、億劫になってしまうのです。モチベーションに頼るのではなく、新しい習慣を本当の習慣にすることに集中するべきです。
そこで「2分ルール」を紹介しましょう。
期待があると、習慣を始めるのが難しくなります。
実は、先延ばしにしている大部分のタスクは実際には難しくないことが多いのです。始めることを避けているだけだとも言われています。
「2分ルール」のアイデアは、始めようとしている習慣が難しくないと、脳をだまくらかすことなのです。
まず、大きな習慣を「2分間」という小さなものに分解します。
目標は2分間で完了することはできないが、すべての習慣は2分間で開始することができます。
例えば、読書を新たな習慣にしたいなら、2分ルールを使って本を2分間だけ読みます。
もしかしたら、ただの1ページだけかも知れません。
最終目標は本を全部読むことかも知れませんが、この際、それは忘れてください。
期待することはただ読み始めることだけ。それがどんなに少なくてもOKとします。
新しい習慣は心の負担になるべきではないのです。それを嫌になってしまってはダメです。
2分間だけの簡単な作業が習慣となり、それが続くと、やりたかった習慣をすでにやっていることになり、心理的な抵抗がなくなります。
2分ルールを使用すれば、目標は次のように変化するでしょう。
「作家になる」という目標が「1文だけ書く」に変わります。「5Km走る」が「ランニングシューズを履いて外に出る」になります。これらのことは簡単にできますが、開始する上で非常に重要なのです。
新しい習慣の最も重要な部分は、始めることだけです。
それをどの程度うまく、またはどの程度長く行うかではなく、一貫してそれに向けて行動を起こすことです。最初から完璧な習慣を作り出すのではなく、簡単なことを一貫して行う。それが習慣を、実際の習慣にする方法です。
存在しない習慣を改善することはできません。始めるだけで、後は自然と続きます。