「老いてきたけど、まぁ~いっか。」

 

 

野沢直子さんは、私と同じ世代です。(2歳違うだけなので、ほとんどタメと言ってもいいでしょう)

私には、コント番組「夢で逢えたら」に出演していた時の、奇抜、素っ頓狂、破天荒のイメージがそのまま残っていますから、この本のタイトルはちょっと意外でした。

エリック・クラプトンやポール・マッカートニーのように、往年のギターヒーローやロックスター達が、80歳近くになっても世界中でライブツアーをしている姿と、勝手に重なるイメージがあったのです。

本文中の「私、年を取るのが楽しみで仕方ないんです」とか「この変化を楽しんでいます」などと発言する側の人だと思っていました。

けれども、実際は「じじいばばあになっていくことのどこが楽しみなんだよ、とまず思い」、意地悪く「楽しみで仕方がない」と発言する人に限って焦っているに違いないと思い込もうとしている人なのでした。

野沢直子さんだからこそ表現できる、今自分が感じている「老い」を赤裸々に語りながら、同世代に「それでもよく生きようよ」と呼びかけている本です。

本の最初の章に、こんな箇所があります。

 

人生の最終章は、楽しく過ごしたい。今は迫りくる『老い』にジタバタしているけれど、どうせならゆくゆくは終始微笑んでいるような柔和な顔をしているばばあになりたい。最終章を楽しく生きることによって、いい人生だったと思いながら死んでいきたい。それにはどうしたらいいのか。同世代の皆さんと一緒に考えてみたくて、この本を書き始めた次第である。

 

50代あるあるに笑い、しかし真面目に人生の後半戦へ向き合いながら、どんな老いを迎えようかと一緒に考えていく。

50代には是非読んでほしい本です。野沢さんの言葉にモヤモヤが晴れる気がします。

あるインタビューでこんなことをおっしゃっていました。

「好きな服を着て、好きな人とだけ会って、やりたいことだけをしてもいいと思えるようになりました。これからは、自分を喜ばせるために生きていきたいと思っています。」