痛みを観察する

 

今はあまり発作に襲われることはないのですが、かつての私は典型的な頭痛持ちでした。

頭痛持ちを長くやっていると、頭痛が襲ってくるとあまり抵抗しなくなります。痛みが出てくると静かに嵐が過ぎ去るのを受け入れてじっと待つのです。

鎮痛薬を飲みますが、効果がないこともあるのを知っていますから、それで動揺したりしません。

頭痛そのものに反応しないようになります。というか、そう仕向けられたとする方が正しいでしょう。

もちろん、最初のころは痛みに対して過度に反応し、抵抗していた時もありました。まず「なんで!」と強い怒りを覚えます。あまりの痛さと痛みに対する怒りで、自分の頭を拳で何度も殴りつけたりもしていました。

あと、孤立感。痛みは自分自身のもので、どんなに親しくても周囲の人間と共有できるものではありませんから、やさしい言葉をかけてもらっても孤立感が強烈に襲ってくるものです。

ほかにも絶望感に落ち込んだり、激しく心の動揺が続きます。

反応しないことは、波風を立たせないように静かに過ごすことです。息をひそめて現実に向き合う姿勢です。

私は頭痛持ちであったおかげで、辛さや苦しみは一度受け入れなければ話が進まないことを知りました。もちろん、受け入れて物事が進むまでにはタイムラグがあります。

その時間帯の過ごし方が、マインドフルネスにあたります。