映画「ザ・ビートルズ:Get Back」

 

世界中のビートルズ・ファンと同様に、木曜日からざわついています。

(戦略だと分かっていながら、この日の為にディズニープラスに入会したのですから。)

ピーター・ジャクソン監督(『ロード・オブ・ザ・リング』などの有名な映画監督)が約60時間の未公開映像と150時間以上の未発表音源をもとに、3年をかけて復元・編集したという映画は、当初全世界の劇場で8月に世界同時公開するというお話でした。

それが延期となり、次に発表となったのは、11月25日(木)から3日間3話連続で、動画配信サービスでの公開に変更となったことでした。

ビジネスだからしようがないとは思ったものの、それを知った時にはかなりがっかりしたものです。

しかし、まったく同一の時期と素材を扱った当時の映画「Let It Be」が、1時間20分の尺で切り抜き場面の継ぎはぎの編集の末にファンをモヤモヤさせたことを考えると、6時間を超えるドキュメンタリーシリーズとして配信してもらった方が、絶対に良いことに気づきました。

そのうえ、しばらく前からYouTubeで配信されていた予告編のすばらしさに感動し、いやがおうにも期待は高まりました。

映画「Let It Be」は、ポールのピアノ「サミュエル・バーバーの『弦楽のためのアダージョ』」で始まります。まるで映画全体に暗黒の霧で呪いをかけるような切なすぎるオープニングなのです。

(ビートルズの映画なのだから、彼ら自身の楽曲ならいくらでもあったでしょうに!)

今回のピーター・ジャクソン監督の「Get Back」の予告編は、まるで違っていました。

無邪気に笑うジョン・レノンの表情。おどけて踊るポール・マッカートニー。はにかむように笑うジョージ・ハリスン。そして、想像通りの表情でドラム台から3人を見守るリンゴ・スター。

ピーター・ジャクソン監督のコメントが、この作品の期待をさらに高めてくれました。

「(本作の)優れた映像は、複数の物語を捉えていたと言えるでしょう。友人たちの物語、個人個人の物語。それは同時に人間のもろさと神々しいまでのパートナーシップを描いたストーリーでもありました。創造性のある物事が作り出されていく過程を追いながら、プレッシャーの中で生み出された象徴的な楽曲たちが1969年初期の社会的な情勢の中で、どのように紡ぎ出されたかを捉えているのです。しかしそれが単なるノスタルジアではなく、剥きだしで、誠実で、実に人間臭い。この6時間の映像を通して、あなたたちは、これまで想像してもみなかったほどの親密さでザ・ビートルズという存在を知ることになるでしょう。」

 

解散から51年の年月が経っていますが、これほどまでに「真実」を求める大勢のファンがいることに、奇跡を感じます。

今夜は第3話。伝説の「ルーフトップ・ライブ」のノーカット映像が含まれるのだそうです。