「The Beatles : Get Back」第3話

 

私の興奮がまだ続いていて、それ以外の話題は考えられないので、くどいのを承知で、今日もまた「The Beatles:Get Back」の話題です。

 

昨日、シリーズ最後の第3話を観ました。

シリーズ全体を通してのクライマックスは、もちろん伝説の「ルーフトップ・ライブ」です。

ライブの様子は映画版「Let It Be」や「Anthology」プロジェクトの映像で観ることはあっても、(曲ごとなら最近ではYouTubeで公式の動画があがっていますね)今回のピーター・ジャクソン監督のノーカット版は、画質が良いのはもちろんですが、ライブの一切合切を観せてくれるもので、メンバーの息遣い、アイコンタクトの様子、最初は不安げだったのが徐々に自分たちの演奏の素晴らしさにノッていく様子などが、嬉しいほどに十分に伝わってきました。

今までの動画では暗い印象の天候・風景だったのが、「冬の寒い日だけど、あんなに晴れた日だったんだ」と、新発見でした。

ライブの騒音で、市民の苦情を受けて駆けつけてきた警官との切羽詰まったやり取りも、時に画面を2分割から3、4分割にして、同時進行的に観せてくれたのも、そのスリリングな展開にドキドキしました。

印象深かったのは、警察の介入によってライブを強制終了させられた後に、ビル内のプレイバックルームに移動して、今録り終えたばかりのライブ音源を聞き直しながら満足げな表情を浮かべるメンバーの姿です。

 

シリーズを通して言えるのは、動きのない何気なく会話しているシーンほど、彼らの人間としての魅力が溢れていたことでした。

私たちはこのセッションの後、グループが解散の道を進んでいくことをもちろん知っています。

このシリーズを見て思ったのは、ジョン、ポール、ジョージ、リンゴの4人が、苦しい時期をともに支え合いながら、なんとか乗り切ろうと運命の流れに必死に抗っていることでした。

誰もここで終わりだとは思っていませんでした。

終わりを迎えようとしているビートルズの姿に、誰よりも自分たちがショックを受けながら、しかしどうしたらよいのか、どうコミュニケーションを取ったらよいのか、わからずに苦悩する若者の様子がつぶさに描かれていたように思います。

 

50年前のお話です。しかし、なんと人間臭く、魅力にあふれたドキュメンタリーなのだろうと思いました。