うっかり問題

直感で答えると間違ってしまいそうな問題です。(「この問題、とけますか?」吉田敬一著より)

 

ある酒店で1本5万6千円もする高級酒が売れました。店主は記念としてビンだけでも店頭に飾りたいと思い、客に尋ねました。

「恐れ入りますが、もしそのビンが空きましたら、譲っていただけないでしょうか?」

「いくらで引き取ってくれるのかね?」

「中身はビン代より、5万円高くなっておりますので…」

「あぁそうか、6千円で引き取ってくれるんだね」

「いえ、そうはならないのです…」

ではビン代はいくら?という問題です。

 

店主の「中身はビン代より5万円高い」という表現がいかにもひっかけ問題的な匂いがプンプンしますね。

 

5万6千円するお酒の中身がビン代よりも5万円高いと言うのなら

5万6千円 - 5万円 = 6千円

で、とっさに直感で答えてしまいそうです。

でも、ちょっと考えれば、それだと中身はビン代より4万4千円しか高くないことになってしまいます。

なるほど。

 

では、正解を導いてみましょう。中身はビン代よりも5万円高いを式に表すと下のようになります。

中身 = ビン代 + 5万円 … ①

酒代5万6千円は中身とビン代の総和ですから

ビン代 + 中身 = 5万6千円 … ②

②の式の「中身」に①の式を入れると

ビン代 + 「ビン代 + 5万円」= 5万6千円

ビン代 + ビン代 = 5万6千円 - 5万円

2×ビン代 = 6千円

ビン代は3千円ということになります。

中身は5万3千円、ちゃんと条件を満たしますね。

 

こういう間違いって、うっかりやってしまいそうです。